「リコカツ」

今日、リモートワークの合間にもくもくとご飯を食べていたところ、同じ事務所に勤めるTさんから「リコカツってドラマ知ってますか？？」と連絡をもらいました。
私は、ふだん、あまりテレビを見ないので知らなかったのですが、Tさんに、離婚のご依頼を受ける弁護士として、何か得るものがあるのではないかと勧められ、見てみることにしました。
既に1回目の放送を終えたタイミングでしたが、今って、見逃し配信というシステムがあるのですね。
せっかちな私は、少しでも効率よく内容を把握しようと、1.75倍速で見てみることにしました。
すると、永山瑛太さん演じる緒原さんがあまりにもすてきで、ふるまい、セリフ、「時代遅れ」と言われてしまうような考え方などそのすべてにあっという間に心奪われてしまい、最後まで見たものの中身がほとんど頭に入ってこないというありさま。
そこで、これでは、このドラマを弁護士視点で見てみるという目的を全く果たしていないと気づき、もう一度、1.75倍速で見直してみました。
あまり中身に触れてしまうと、これから見るというかたのお楽しみを奪ってしまうので控えたいと思うのですが、1回目の放映では、何度も、いろいろな場面で「リコカツ」という言葉が出てきます。
「リコカツ」という言葉、私は、今回初めて知ったのですが、みなさん、ご存じでしたか？
離婚に向けた活動ということ。
ということは、私たち弁護士が、離婚をお考えになったお客様と、離婚に向けて準備をしたり、相手と話し合いをしたり、調停をしたりしている、それもリコカツという範疇に入るのかもしれません。
ドラマの中で「私、離婚することにしたの。リコカツしてたのよ～」というようなセリフがあります。
この〇〇カツという言葉。
勝手な私の印象かもしれませんが、その活動の中身は実はものすごく大変で気持ちの上でもとても大きな負担がかかることでも、〇〇カツと呼ぶことで、軽やかなイメージが加わるように感じませんか？
婚活しかり、妊活しかり、保活しかり、就活しかり、そしてリコカツ。
離婚というものは、もちろん人により程度の差はあっても、1回も直面しない人もいるし、直面したとしてもそう何度も直面することのない、人生の一大事であることが多いですよね。
そして、弁護士として離婚の案件を担当させていただくことが多い私からすると、特に弁護士が関わっている事案ということもあり、離婚に至るプロセスはそう平坦な道のりではなく、悔しい思いをしたり、憤慨したり、絶望したり、不安に押しつぶされそうになったり、そんな気持ちを1個1個乗り越えながら進んでいくものというイメージ。
悩み、憤慨し、不安に押しつぶされそうになりながらも、強い決意をもって前に進んでいくお客様のことを思い浮かべると、とても、それをリコカツなどというどこか軽やかな印象の言葉でくくることはできないなとも思います。
でも、一方で、お客様をサポートさせていただく弁護士としては、お客様が、離婚に向けた準備活動を通じて、離婚をネガティブにとらえるのでなく、前向きに、軽やかに、自分の人生を自分主導でよりよい方向に持っていこうという気持ちでいられるお手伝いができればいいなと思っています。

これからも、このドラマに注目し、弁護士の立場から思ったこと、気づいたことなど発信していきたいと思います！