リーガルエッセイ

公開 2020.12.09 更新 2021.07.18

公的懸賞金とは?

記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、上場会社の社外役員を務める。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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捜査特別報奨金とは

先日、未解決の5事件について、公的懸賞金の受付期間を1年間延長するとの報道がありました。
「公的懸賞金」ってご存じですか?
正式には、捜査特別報奨金といいます。

捜査特別報奨金というのは、警察庁が指定する事件に関し、重要凶悪事件の犯人検挙に結び付く有力な情報を提供した人に対して報奨金を支払うことを広告し、有力な情報を提供した人のうち優等な人に報奨金を支払うとする法律で定められた制度です。
対象事件は限定されています。
指名手配等されている被疑者のうち警察庁が重要と認めた被疑者に関する事件で、社会的反響の大きい特異または重要な事件が対象です。
上限額は原則300万円。
特に必要がある場合は1000万円まで増額できるとされていて、過去にその金額の捜査特別報奨金が設定されていると報じられた事件もありました。
受け付ける期間は原則1年間となっていますが、特に必要があると認める場合は期間を延長したり短縮したりすることがあります。
実際、このたび報道された事件の中でも、13回目の延長が発表されたというものもありました。
金額は、設定されていた全額が無条件に支払われるのでなく、事件解決への寄与の度合いに応じて広告した上限額の範囲内で支払われ、仮に、情報提供者が複数人いる場合には、その貢献の度合いに応じて分割して支払われます。
もちろんですが、被疑者本人とか共犯者などは対象から外されます。

延長されるとしたら1年に1回。
13回延長がされたという件については、すでに事件から13年以上が経過しているということになるでしょう。
そうなると、さすがにもう無理なのではないかと思われるかたもいるかもしれません。
たしかに、年数が経てば証拠は散逸しますから立証が難しくなることは間違いありません。
でも、捜査特別報奨金の延長が認められたということは、警察が、事件解決を決してあきらめていないということです。
そういえば、昔、捜査特別報奨金対象の事件について、捜査をかく乱させるような情報提供が寄せられたり、報奨金の振込名目で手数料等のお金をだまし取ろうとする手口があったりするという記事を読んだ記憶があります。
被害者のかた、ご遺族のかたが祈るような気持ちで情報提供を待っていることを考えると、とても信じられない行為です。
未解決事件について捜査特別報奨金受付期間延長の報道をきっかけに、事件の内容が改めて周知され、事件についての情報が集まり、解決につながることを願っています。

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