「保釈」は認められやすくなっている?保釈の判断基準や保釈率について解説します

「保釈」は認められやすくなっている?保釈の判断基準や保釈率について解説します

11月20日のある新聞に、『保釈 見えぬ判断基準』『(保釈の)可否・拘束期間にばらつき』などと題された記事が掲載されていました。
そして、その記事の中では『保釈を認める傾向は強まっている』とのタイトルで、保釈率の変化を折れ線グラフで示していました。

一方で、最近、保釈中の被告人が逃走してしまう事件も報道される中で、「保釈が認められるための条件が厳しくなるのではないか?」などと推測するコメントを見ることがあります。

このような報道を見て、「保釈が認められるための基準って、一定のものがあるわけではないの?」「保釈の認められやすさが、年々変わるようなものであっていいの?」などと疑問に思われるかたもいらっしゃるのではないでしょうか?

「保釈」という制度について

今回は、保釈という制度について簡単に説明します。
保釈というのは、起訴された後に、被告人の身柄拘束を一時的に解放する手続きのことです。
刑事訴訟法では、被告人やその弁護人から保釈請求があった場合には、一定の場合を除き、保釈を認めなければならないと定められています。

<刑事訴訟法>

  • 第八十九条 保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
  • 一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
  • 二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
  • 三 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
  • 四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
  • 五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏い怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
  • 六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

このように法律で保釈を認めなければならない場合と、それ以外の場合とを明確に定めている以上、「保釈の基準が見えない」などというコメントは当たらないように思えますよね。
しかし、「次の場合」として定められている事由の中には、たとえば、被告人が、証拠を隠滅するおそれがない場合、というものもあります。
そして、保釈を請求する被告人、弁護人側と、訴追側である検察側とで、証拠隠滅のおそれがあるか否かについて考え方が異なることが多く、両者の考え方をもとに最終判断を下す裁判官においても、裁判官によって、判断が分かれることがあり得るのです。

そのように、保釈を認めるべき場合の例外として定められている基準が(明確)なものではなく、評価の余地がある内容となっているため、結果として保釈を認めるかどうかについて、判断をする裁判官によって差が出てくることがあり得るのです。

裁判官によって判断が分かれることもあり得る?保釈率の増加傾向について

このように、裁判官により保釈の許否について判断がわかれることがあるということを前提としても、全体としてみると、「保釈率」(起訴された事件について保釈が認められた件数の割合)は年々増加していると言われています。

日本保釈支援協会のホームページに掲載されている資料 によれば、やはり、保釈率は年々上がっている傾向が見て取れ、平成30年には33.69%となっているとのことです。
実際、(これは私の印象ではありますが、)私がかつて検察官をしていた10年以上前には、たとえば違法薬物所持の事案で、被告人が所持していたことは認めながら、薬物の入手ルートをはっきり供述していない場合に、保釈を認めればその入手ルートに関して罪証隠滅するおそれがありうるという理由などで保釈請求が却下されることはしばしばあったように記憶しています。

しかし、最近では、そのような事案で保釈請求が却下されることのほうが少ないように感じます。
この保釈率の増加は、いわゆる「人質(ひとじち)司法(しほう)」を是正する流れの一環だと考えられています。

では、全国的に一律に保釈率は高くなっているのか、というと、地域により差があると言われています。
先日の新聞でも、九州各県を見ても、最も保釈率の高い宮崎県と、最も低い長崎県とでは実に1.5倍もの保釈率の差があると報じられていました。

だれにとっても、裁判を身柄拘束をされた状態で迎えるのか、社会内で生活しながら迎えられるのか、という点は重大な問題です。
心理的な影響はもちろんですが、裁判に向けて弁護人と打ち合わせをして十分な準備をすることを考えても、身柄拘束をされていることはその支障になります。
全体の保釈率が上がってきたとはいえ、裁判官により保釈の判断が分かれるという以上、保釈申請にあたり、裁判官が保釈を許可するのに十分な情報を提供する必要があり、いかにその活動をできるかにより、保釈許可の結果を獲得できるかという結論にダイレクトに影響するといえるでしょう。

ご家族が身柄拘束を受けており、今後起訴される見通しであるならば、起訴後速やかに保釈を獲得することができるか、弁護士に相談され、保釈獲得のための材料集めにとりかかることをお勧めします。

日本保釈支援協会ホームページ

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