勾留理由開示 ― 京都アニメーション放火殺人事件

勾留理由開示 ― 京都アニメーション放火殺人事件

勾留理由開示

先日こちらのエッセイで勾留理由開示の手続についてとりあげましたが、京都アニメーション放火殺人事件で、勾留理由開示の手続が行われました。

被疑者が出席することが原則ではあるものの、体調などによっては、弁護人のみの出席で手続きが行われることがあります。
そして、本件については、被疑者が、自力歩行困難な状態だと報じられていたことから、被疑者が出席するかどうかが注目されていましたが、報道によれば、ストレッチャーに横たわったままの状態で出席したとのことです。

裁判官は、勾留理由について、「事案の性質、犯行の態様、精神状態などを考慮すると逃亡、罪証隠滅のおそれがある」と説明するとともに、具体的にどのような罪証隠滅を想定しているかについては、第三者を介した罪証隠滅のおそれがあると説明したとのこと。
これに対し、弁護人は、被疑者のために罪証隠滅を図る「第三者」というものが本件においては具体的に想定できないことや資産もない被疑者がゴーン氏のように第三者の力を借りて逃亡を図ることが想定できないことなどを指摘したと報じられています。
裁判官は、この指摘に対し、より踏み込んだ見解を説明するのでなく、捜査上の秘密を理由にそれ以上の説明をしなかったとのことです。

このやりとりを聞くと、「勾留って、とりあえず、逃亡と罪証隠滅のおそれがあると言っておけば認められるんじゃないか」と思ってしまう方もいるのではないでしょうか?
でも、経験上、検察官は、なぜこの事案で逃亡、罪証隠滅のおそれがあるといえるのか、ということを、具体的な事実や証拠関係を指摘しながら丁寧に検討した上で勾留請求しています。
そして、裁判官も、本当に検察官が言うような逃亡、罪証隠滅のおそれがあるか、具体的に検討して決定を出していると感じます。

勾留理由開示手続きでは、今回のように、捜査の秘密を理由に具体的な事実や証拠関係は開示されないのが通常です。
それが適切なのかどうかは別として、勾留理由開示手続きにおいて、なぜ逃亡、罪証隠滅のおそれがあるといえるのかという踏み込んだ検討過程が開示されないことが、そのまま捜査機関、裁判官が逃亡、罪証隠滅のおそれの検討を具体的に十分にしていないということにつながるものではないといえそうです。

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