弁護人が裁判所に勾留理由開示請求 ― 京都アニメーション放火殺人事件

弁護人が裁判所に勾留理由開示請求 ― 京都アニメーション放火殺人事件

弁護人が勾留理由開示請求へ

先日、こちらのエッセイで、京都アニメーション放火殺人事件の弁護人が、勾留決定に対する準抗告を棄却した判断について不服があるとして、最高裁判所に特別抗告を申し立てるとともに、勾留決定を出した裁判所に勾留理由の開示を求める請求をした報道をとりあげました。
今日は、勾留開示請求についてお話しします。

勾留理由開示請求

みなさん、勾留理由開示請求という手続き、昨年の報道でご記憶にあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車の元会長カルロス・ゴーン氏の事件で勾留理由開示の手続が行われ、勾留理由開示の行われた法廷では、ゴーン氏自らが、自身の無実を訴える意見を陳述したことが大きく報じられていましたよね。

この勾留理由開示の手続は、身柄拘束を受けている被疑者・被告人について、弁護人や被疑者らの請求に基づき、裁判官が、公開の法廷で、勾留の理由(勾留するためには要件があることはこちらのエッセイでとりあげました)を明らかにする手続きです。
勾留理由の開示を受けることにより、弁護人が、準抗告や勾留取り消し請求をするための材料を集めることができるとも言われています。
でも、実際は、裁判官の開示する勾留理由はとても抽象的なものです。
くわしい証拠関係などには触れず、「一件記録からすると、被疑者が関係者に働きかけたり証拠を隠匿したりして罪証隠滅を図ったり、逃亡したりするおそれが高い」などと説明する程度。
その意味で、勾留理由に関し、新たな発見がありその後の弁護活動に生かせるということはそれほど多くないのかもしれません。
ですから、この手続きがそれほど多く利用されているという実感はありません。

でも、勾留理由開示の手続は、ほかにも意味をもつことがあります。
1つ目は、適正な手続きの確保につながるという点です。
勾留理由開示の場では、被疑者や弁護人も意見を陳述する機会があります。
被疑者に、違法な取り調べを受けているとか、逮捕の過程に違法があったとかいう言い分がある場合、意見陳述の機会を利用して法廷で裁判官に訴えることができるのです。
これにより、捜査機関に対し、より慎重な捜査を求めるきっかけになったり、このような積極的な弁護活動が、安易な勾留延長を阻止するきっかけになったりします。

2つ目は、被疑者が家族らの姿を見ることができるという点です。
勾留理由開示は公開の法廷で行われますので、被疑者の家族も傍聴することができます。
事案により、身柄拘束中の接見が禁止されている場合もありますので、その場合は、被疑者が家族の姿を、家族が被疑者の姿を見ることができる貴重な機会になることがあります。
無実の罪で身柄拘束を受けてしまっているという事案で接見が禁止されているとしたら、自分が家族に無実を訴える機会を得るということは、その後続く捜査、公判に臨むにあたっても、精神的にとても大事なことになってくるかもしれません。

被疑者は出席する?

法律では、勾留理由開示の法廷には、被疑者、被告人と弁護人の出席が必要とされています。
でも、例外があって、被疑者、被告人が病気やその他やむを得ない事情があって出席できず、出席できないことについて被疑者、被告人に異議がないときには、弁護人だけの出席で行うことができるとされています。
この事件の被疑者として身柄拘束されている男性は、自力歩行などもできず、逮捕時もストレッチャーで病院から出てくる様子が報じられていました。
体調の面で出席が難しいとなれば、弁護人のみの出席で手続きが行われる可能性もあります。
勾留理由としてどのような事実が開示されるのか、被疑者が法廷に現れるのか、その場で被疑者や弁護人が意見を陳述するのか、注目していきます。

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