裁判の期日

裁判の期日

裁判 再開の動き

先日こちらのエッセイでもお話ししましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、4月、5月に入っていた裁判期日の多くが取り消されました。
そして、先日、緊急事態宣言が解除されたことに伴い、少しずつ、取り消された期日が改めて設定されている状況です。

再開 しかし、課題も

とはいうものの、約2か月間に入っていた期日を順次設定していくわけですから、取り消された期日のすべてがすぐに実施されるという状況にはありません。
また、裁判自体も、しばらくは、緊急事態宣言の前と同じペースで開かれるわけではなさそうです。
東京地方裁判所は、当分の間、各部ごとに隔週で裁判を開く週と開かない週とを設け、期日の実施も段階的に増やすことを発表しています。

なぜ、これまでのようなペースで期日を設定できないのかと思うかたもいらっしゃるかもしれません。
裁判所に行ったことのあるかたはそれほど多くないかもしれませんのでイメージがわきにくいと思うのですが、裁判や調停が開かれる部屋、その待合室の構造を知っていると、たしかに、これまでのようなペースで期日を設定することは難しいだろうなと思うのです。
私は、特に調停期日について、感染のリスクを防ぐための対策が必要になるだろうと思います。
というのも、離婚調停などは、1回あたり2時間程度裁判所にいることになります。
そして、そのうち1時間程度は話し合いがなされる小部屋に、それ以外の1時間程度は待合室にいることになるのです。
話し合いをする部屋は、裁判所にもよりますが、通常、とても狭く、窓がないこともあります。
また、性質上、入り口のドアを開け放したままということはなく、ドアも締め切ります。
そうすると、換気ができない小さな部屋に、調停委員2人、申立人1人、その代理人弁護士1人と4人くらいが、30分以上こもり、そこで話をすることになるのです。
そこでの話がいったん終わると、今度は待合室で30分程度待機するのですが、この待合室も窓があったりなかったり、そして、当事者のかたとその代理人が、次に調停委員から呼ばれるのを待ちながら打ち合わせをしているのですが、混んでいるときは、狭い待合室に20人くらいの人が詰めているということもあります。
3密の状態になることもしばしばです。
そうなると、裁判所としては、裁判所に来る人の数自体を少なくする必要がありますよね。
そこで、裁判を開くペースを段階的にあげていく、とせざるを得ないのでしょう。

調停期日 電話会議の積極的な利用は?

もちろん、感染のリスクがあってはいけないので慎重な対応が必要だと思います。
ただ、裁判や調停の当事者の立場からすると、なんとももどかしい思いになります。
裁判や調停が開けないなら、期日外で話し合いを進めればいいだろうと思いますし、そのようにできれば一番よいのですが、もともと、裁判や調停の外での話し合いがうまくいかなかったからこそ裁判や調停にせざるを得なかった経緯があります。
ですので、裁判や調停の手続きを利用せずに話し合いで解決することはそう簡単ではありません。

実は、調停については、裁判所が遠方の場合、期日の日に裁判所には行かずに、弁護士事務所にいながら調停委員と電話で話をしながら調停を進めることも許される場合があります。
法律で、当事者が遠隔の地に住んでいるときやその他相当と認めるときは、「音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって」調停を行うことができるとされているのです。

実際、私も、遠方の家庭裁判所に申し立てた調停では、裁判所に行かず、調停委員が弁護士事務所にかけてきた電話に出て調停に出席することもあります。
私自身は、これまでは、裁判所が遠方でないにもかかわらず、調停に電話会議による方法で出席したいと裁判所にお願いしたことがないので、お願いした場合、どの程度、これに応じて電話会議の実施が行われるかはわかりません。
電話会議を実施するとなれば機器の問題もあるでしょう。
でも、裁判所に集まる人の数を少なくする、という観点からは、3密になりやすい調停の手続において電話会議をより積極的に実施することも検討されてよいのではないかと思いますし、声だけでなく、ビデオ通話の形式で互いの話す様子が見えればより進行もスムーズになるのではないかとも思います。

先日、裁判所と弁護士事務所とをインターネットでつないで、民事訴訟事件の争点を整理する手続きを進めるウェブ会議の実施について報道されていました。
実際、私の所属する事務所でも、近く、ウェブ会議に出席する弁護士がいます。

今後、感染のリスクを避けつつ裁判や調停を着実に進めていくため、電話やビデオ通話がより積極的に利用されてほしいと思いますし、司法に携わる弁護士として、どのような手続きでどのような方法をとれるか、主体的に考えていかなければならないと思います。

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