SNS上での「闇バイト」勧誘

SNS上での「闇バイト」勧誘

「闇バイト」募集が増えている

先日、民家に強盗に押し入ったとして4人の少年が逮捕されたというニュースで、一人の少年がSNS上で「闇バイト」と称して仲間を募ったと報じられました。
また、高齢女性からキャッシュカードをだましとって現金を引き出した特殊詐欺の事件に関わったとして2人が逮捕されたというニュースでも、2人が犯行に加担するきっかけが「闇バイト」の募集だったと報じられています。

以前からSNS上で共犯者を募るということ自体は行われていましたが、ここ最近、特に報道で目にする機会が増えたように思います。
この点、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、失職したり、収入が減ったり、アルバイト収入が途絶えたりすることで経済的に苦しい思いをしている人が増えていることから、高額報酬を得たいという需要が特に高まっていることと関係しているのではないかという見方があります。
報道によれば、今、SNS上で「仕事したい。バイトしたい」などつぶやくと、「手っ取り早く高額報酬を得られるバイトがある」などとたくさんの勧誘がくるという実態もあるというのです。

「闇バイト」は犯罪である可能性が極めて高い

生活が苦しくなり、精神的にも追い込まれた人が、「たくさん稼げる仕事があります!」「簡単な仕事です!」「すぐにお金が手に入ります!」などと言われたら、どう思うでしょう?

まず、直感的に、「なんか怖いな」「あやしい仕事かな」「そんなに簡単にたくさん稼げる仕事なんてあるはずない」と思うはずです。
でも、仕事がなくなり、今日の生活にも困っていたとしたら、きっと自分の直感を打ち消すように思考が働き始めるのではないかと思うのです。
「でも、こうしてSNS上で公然と募集しているのだからさすがに犯罪などではないだろう」とか「でも、1回だけやる分には問題ないだろう。いやだったらやめればいいや」などと。
万一犯罪だったとしても、自分は何も聞いていなかったんだから、「知りませんでした」と言えば問題ないだろうなどと考えるかたもいるのではないでしょうか?

でも、「闇バイト」はあまりにも危険です。

私は、検察官として、覚せい剤等違法薬物の輸入事件の捜査をした経験があります。
覚せい剤等を輸入するとき、これを海外から運んでくる、いわゆる運び屋が不可欠ですが、覚せい剤が国内に持ち込まれるとき、覚せい剤が税関で発見され、これを運んでいた運び屋が逮捕されるということが多くあります。
そして、多くの運び屋は、「私は、SNS上の募集に応募して、『この荷物を持って日本に持ち込めば1回あたり●●円の高額報酬をもらえる』と説明を受けてこれに従っただけなんです。中身が覚せい剤だなんて聞いていませんでした。」などと供述します。

実際、「覚せい剤」だと明確に告げられることは少ないかもしれません。
でも、このような言い分は多くの裁判で通用しません。
もちろん、個別の事案によりますが、仕事の依頼人とどのようなやりとりがあったのか、依頼を受けて、荷物の中身に関し税関でどのようなやりとりをしたのか、具体的にどのような態様で覚せい剤を持ち込んだのか、というような事実関係を詳細に調べられ、結論として、覚せい剤を含む違法薬物を持ち込むという認識があったという判断がされてしまうことが非常に多いといえるでしょう。

たった1回、SNS上での募集をきっかけに運び屋をしたことで10年以上刑務所に入ることになる人もいます。

振り込め詐欺などの特殊詐欺事件 「受け子」も立派な詐欺の共犯者

振り込め詐欺などの特殊詐欺事件で、高齢者の自宅に現金を取りに行くいわゆる「受け子」も同様にSNS上で募集されることが多いです。

「受け子」は立派な詐欺の共犯者です。

振り込め詐欺がどのようなものか、そして、「受け子」「出し子」という言葉も世間的に広く知られているくらい報道で見聞きする今、「自分が振り込め詐欺の受け子の役割を担っているとは知りませんでした」という言い分はなかなか通用しないでしょう。

このような「闇バイト」の募集では、もしかしたら、「安全な仕事です」「心配いりません」という説明もあるかもしれません。
でも、当然のことながら、そんな言葉はうそです。

「闇バイト」で募集される仕事は、逮捕されるリスクが一番高い危険な仕事です。
だからこそ、犯罪組織や危険な犯罪を計画する人は、こうして、自分の身分を明かさなくとも簡単に仕事をしてくれる人をSNS上で募ることで、仮にその人が逮捕されたとしても自分や組織まで警察の捜査の手が伸びないようにしているのです。
「闇バイト」の実態はただの犯罪行為である可能性が高いといえます。

仕事がなくなったり、収入が減ったりして生活に不安があるときは、市区町村社会福祉協議会が受付窓口をしている緊急小口資金特例貸付という支援制度があります。

「闇バイト」の危険性がより一層十分に認識されることがまず必要ですが、これとともに本来であれば正常な判断ができたはずが経済的苦境ゆえに判断を誤るなどということがなくなるように、コロナ情勢で生活が苦しくなった人への十分な支援制度が整うとともに制度の認知がなされることが必要だと思います。

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