
- 元検事弁護士 (第二東京弁護士会所属)
- 高橋 麻理
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2002年検察官任官。東京地検、大阪地検などで勤務後、2011年弁護士登録。元検察官の経験を生かして、刑事分野の事件を指導、監督。犯罪被害者支援にも真摯に取り組んでいる。
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2002年検察官任官。東京地検、大阪地検などで勤務後、2011年弁護士登録。元検察官の経験を生かして、刑事分野の事件を指導、監督。犯罪被害者支援にも真摯に取り組んでいる。
先日、新型コロナウイルスの感染が確認されたフリーアナウンサーの女性が、夫も感染している状況で、子の面倒をだれが見ればいいのかという手記を寄せたことが話題になりました。
本当に深刻な問題だと思います。
「もし、母一人、父一人で子どもを育てているかたが感染してしまったら?」
感染経路がわからない感染が多くなっている今、そんな不安を抱えながらおひとりでお仕事も子育てもされているかた、多いのではないでしょうか?
子どもは濃厚接触者と判断されるでしょうから、どこかに預かってもらうということは難しいでしょうし、また、ご高齢のかたの住むご実家のお世話になるわけにもいかない場合が多いでしょう。
子どももいつ発症するかわからないのに、親族関係でもない知人を頼るのも申し訳なくて、というお気持ちにもなると思います。
深刻な問題だととりあげておきながら、実は、この点について、現状、ご提案できる解決法があるわけではないのです。
この点、報道によると、厚生労働省が、親が感染して子どもの面倒を見る人がいないという事態に直面したときは、まず、保健所が対応を判断するとのこと。
そして、厚生労働省は、都道府県に対し、親が感染してしまい、子どもの面倒を親族に見てもらうことができないケースについては、自治体や児童相談所が対応を検討するように指示したと報じられています。
自治体によっては、このような子どもを児童相談所の一時保護所などで保護し、そこにかかる費用を公費負担とすることとしたり、その方針に向けて検討しているところもあるようです。
とはいえ、まだまだ、安心できる明確な解決法が示されているとはいえません。
まずは、感染を予防するのが一番であることは間違いなく、会社で、在宅勤務が推奨されたり、臨時休校に伴う助成制度(以前、エッセイでもとりあげました)が活用されたり、休業手当がきちんと支給されたりといったことが徹底されることで感染の機会を少しでも減らすことが必要ですよね。
そして、万一、感染してしまった場合には、まずは保健所に状況を伝えて相談し、どうしたら、ご自身が療養に専念でき、お子さんの安全も図られるのか、その方法を探してみる必要があります。