親が目を離した隙に小学生が車を運転した場合、誰の責任?

親が目を離した隙に小学生が車を運転した場合、誰の責任?

小学生が車の運転 誰の責任?

車の運転というのは、機械もの、恋愛と並んで私の苦手分野TOP3に入ります。
せっかく取得した運転免許も更新忘れで失効してしまったので、今や運転の機会もないのですが、あれは、自分が向かうべき方向を把握しながら適切な方向にハンドル操作をしたり、必ずしもまっすぐではない道路に沿って対向車とぶつからないように進んでみたり、突如現れる標識を見てその意味を正確に読み取ったり、交差点に至っては、これに加えて、巻き込み確認やら進行先の歩行者の有無確認やら信号がいまだ青であることの確認やらに追われ、とんでもないマルチタスクを強いられる。
そして、こんなハードな任務を難なくこなせるようになるには、生まれながらの才能に加え、事故のリスクと隣り合わせという異常な緊張状態のもと、年単位、下手したら一生かけて血のにじむような修業を積むことが避けられないはず。
だから、街中ですいすいと車を運転しているかたを見るにつけ、生まれながらの才能に恵まれていること、異常な緊張状態にも耐えるだけのメンタルを保ちつつ血のにじむような修行を乗り越えた実績があることをただただうらやましく思います。
無免許運転のニュースを見るたびに、そんな高度な運転というものを、免許を取ることなくしてやってしまおうとする大胆さに驚かされ、自身の行動をおそろしく思わないのだろうかと思います。
無免許運転とはいっても、必ずしも運転経験がない人が免許を取得しないままに運転するという態様ばかりではありませんが、少なくともその種の態様の無免許運転については、車が引き起こす事故がこれまでいかに悲惨な犠牲者を生んできたかということを少し思い出せば、おそろしくてとてもできない犯罪だと思いませんか?

先日、車の運転に関して驚くべきニュースを聞きました。
報道によれば、小学生の子が、親の見ていない隙に、自宅にあった車のカギを使って、車を運転し、事故を起こしたというのです。
この事故でけがを負ったかたもいます。
これ以上の詳しい内容は報じられていませんので、事実関係はわかりません。
車の運転って、運転に至るまでにもいろいろ操作が必要ですよね。
たとえば、車のドアを開けたり、たしかカギをどこかに差してエンジンをかけたり、どこかを操作してブレーキを解除するようなことも必要だったような記憶…。
いずれにしても、こういういくつかのことをすべて行って初めて道路に出ることができると思うので、走らせるという以前に、これらの操作がなぜできたのかなと思いましたが、もしかしたら、車に興味のある子は、今やどこからでも情報をとることができますので、調べて、自分で操作できるほどに知識を身に着けるということができたのかもしれません。
いずれにしても、これらの点は今後の調査で解明されるのだと思います。
この件については、まだ事実関係がよくわからないのでこれ以上のコメントをせず、一般論で考えてみたいと思います。
小学生の子が、親の車を勝手に運転し、これによって事故を起こした場合、誰がどんな責任を負うのか、考えてみたいと思います。
まず、小学生の子は、無免許運転について、懲役刑に処せられるなどの刑事責任を負うことがあるのか?
結論として、小学生の子は刑事責任を負いません。
刑法では、「14歳に満たない者の行為は、罰しない」と定めているからです。
ただ、このような、刑事責任を負うだけの能力がないとされる14歳未満の子の行為であっても、重大なものについては児童相談所長に送致され、その後、必要と認めた場合は、家庭裁判所の審判を受けることがあります。

では、子どもの無免許運転について、親が刑事責任を負う?
子どもが無免許運転をしたというだけで親がそのことについて刑事責任を負うことはありません。
でも、親が子どもの運転する車に同乗していたり、車を貸して提供したりした場合には、そのような行為が、道路交通法上の犯罪にあたる可能性があります。

けがをさせられた被害者のかたの立場では、けがの治療費などを加害者側に請求したいとお考えになると思います。
ところが、車の運転をしていたのが小学生であった場合、通常、小学生自身は、責任を負うだけの能力がありません。
親に請求することを考えたいところですが、そんなことが法的に可能なのか?
この点、法律では子どもの親、もう少し正確に言うと、子どもを法的に監督する義務を負う立場の人が損害賠償責任を負うことになっています。
小学生の子どもの場合、これを法的に監督する義務を負うのは子どもの親権者。
原則として、子どもの親権者である親が被害者のかたに治療費などを払う義務を負うのです。
ただ、親が、しっかり監督義務を果たしていたとか、仮に監督義務を果たしても結果を防ぐことなどできなかったといえる場合は別です。
そのような事情があることを親の側で証明できれば、責任を免れることもあります。
子どもが家にあった車のカギを持ち出し、勝手に運転して事故を起こして他人にけがをさせたという場合はどうか?
いろいろな個別事情はあるでしょうが、普通に考えると、結果として子どもが車のカギを親の目を盗んで持ち出せて、さらに、そのカギを使って車を運転することができたのですから、カギや車の管理に問題があったといえるはず。
親の立場からすると、「いやいや、でもまさか自分の小学生の子どもが、勝手にカギを持ち出して車を運転するなんて思いもしないよ。それを予測して防ぐための対策をとるなんて無理難題だよ」という声もあるかもしれません。
でも、監督義務者には、普段から、他人にけがをさせたり、他人のものを壊したりするような危険なことをしてはいけないということを教育し、日常生活でそれを守るよう見守る義務があります。
日常の「まさか」を想定し、子どもが危険な行動に出ることを防がなければなりません。
それが徹底されていなかったという判断は免れないのではないでしょうか。
たとえば、子どもに「ぼくが車のドアを開けてみたい!」「エンジンかけてみたい!」なんて発言があったり、どうやったら車が走るのかを質問してきたり、車に同乗しているときに、運転席に座ろうとしてみたり、子どもが車に強い関心を持っているなと見受けられる場合には、なおさら、「まさか」はかなり現実味を帯びていて、子どもが車を運転することの危険性を伝えたり、車のカギを子どもが勝手に手に取ることがないように管理したり、万一車のカギを手に取ってしまっても、勝手に車に乗り込むことができない工夫を考えたり、ということをさらに徹底していく必要があるでしょう。
ほかにも、親は、車の所有者として、自動車損害賠償保障法という法律を根拠に賠償責任を負います。
運行供用者責任といわれるものです。

親の立場からすると、普通は小学生が車を運転しようなんて考えるわけもないだろうとか、仮に興味があっても、実際、あんな難しい操作をクリアして路上に出るなんてできるはずもないだろうとか考えてしまいそうですよね。
報じられている件の詳細はわかりませんが、一般論として考えると、今、子どもたちは昔よりもずっと多くの情報を自分で簡単に入手できますから、私たちからすると子どもたちが接点を持つはずもないと考える大人の領域についても驚くほどの知識を持っている可能性もあるのかなと思います。
まずは、子どもの現状を知るためにも普段からなんでも話せる環境を作ること、そして、それぞれの子どもの状態に応じて、子どもによる危険な行動を防ぐために何を伝え、何をしなければならないかを考えることの重要性を感じます。

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