リーガルエッセイ

公開 2021.04.16 更新 2021.08.13

SNSやネット上での画像改ざん被害 早めに弁護士にご相談ください

記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、上場会社の社外役員を務める。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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記者会見画像改ざん

内閣官房長官が、自身の記者会見映像が改ざんされ、その改ざん画像がTwitterに投稿されたとして、Twitter社に投稿の削除を依頼し、削除されたことが明らかになったと報じられました。
どのように改ざんされたのかというと、報道によれば、記者会見に臨む官房長官の顔が、一見して笑顔いっぱいといった表情にされていたということ。
もちろん、勝手に改ざんされること自体問題なのですが、なぜ笑顔への改ざんということが特に本件で問題視されたかというと、その記者会見というのが、東北地方で大きな地震があった直後のもので、改ざんされた画像が、そのタイミングで行われる記者会見での顔としてあまりにも不謹慎という印象を与えるものだったから。
実際、その画像に関し、深刻な事態であるのに笑顔で会見に臨んだことを批判するようなコメントがあったようです。

今回、画像を改ざんされたのは内閣官房長官という公の立場のかたでしたが、今、だれもが簡単に自分の画像をSNS上に投稿していますから、この出来事、全く他人事とは思えませんよね。
このような被害に遭い、その画像を削除するということを考えたとき、画像を投稿した本人にダイレクトメッセージを送る方法を考えることもあると思います。
もちろん、ケースによると思いますが、相手次第では、そのメッセージ自体をさらに投稿するなどして事態がエスカレートしてしまう危険もあります。
そこで、今回報じられたようなTwitter社への削除依頼を検討するのがよいと思います。
もちろん、削除されるためには一定の満たすべき要件がありますが、依頼自体はそれほど複雑な手続きではなく、ヘルプセンターを通して案内どおりに手続きを踏んでいけば可能です。

大前提として、削除のための手続きを進める前に、問題となっている投稿を証拠として保存する必要があります。

ただ、この手続きは、あくまでもその投稿を削除するという場合のこと。
このような投稿は犯罪にあたる可能性もあります。
その場合、投稿をした人物に刑事責任を追及するということも考えられるでしょう。
では、どんな犯罪にあたるのか?
名誉棄損罪と著作権法違反にあたる可能性があります。
うその画像が公になることで、この官房長官は、大きな地震の直後に行われた記者会見だというのに、笑顔いっぱいの顔で臨むような人で、震災の深刻さを認識できていないのではないか、政治家としての適性を疑うというような評価がされ、官房長官の社会的評価が低下するおそれが高いといえるため、この点が名誉棄損罪にあたる可能性がありますし、著作物としての写真が勝手に改ざんしたとなれば、著作権侵害にもあたる可能性があります。

では、犯罪にあたる可能性があるとして、警察に処罰を求めて告訴した場合、警察がすぐに捜査に着手し、警察が犯人を特定してくれるか?というと、残念ながらそのようなことはなく、被害に遭った側で投稿した犯人を特定するように言われてしまうことが多いです。
もちろん、投稿の内容によります。
投稿が、直接、他人に危害を加えるような危険が差し迫った内容だったりすると、すぐに捜査に着手してくれることも多いといえますが、このような名誉棄損の事案などはまずは犯人を特定するように言われてしまうことが多い印象です。
そうなると、まず、犯人特定という壁に直面してしまいます。
そんなときは、なるべく早く弁護士に相談することをお勧めします。
オーセンスでは、専門的な知識、豊富な経験を持つ弁護士が所属しています。
Twitter社に発信者情報開示をした実績をもつ弁護士もおり、その弁護士がいかに依頼者様のために戦ったかということが、以下のページに解決事例として詳しく書いてあります。

投稿の被害にあった方にまずしていただくべき証拠保存についても書いてあります。

報道を見る限り、画像の削除に加え、投稿した人を特定してその者の法的責任を追及する方針か否かについてはわかりません。
でも、今や、だれもが自分の画像を公開しているがゆえにだれにとっても無関係とはいえない画像等改ざんの被害。
改ざんについても、一見して改ざんだとわからないような精巧なものが増えています。
これにより、改ざんされた画像等を見た人に、本物だと思われてしまう可能性が高くなり、改ざんの内容によっては、自分の社会的評価に直結するような深刻な被害を被るかたもいるかもしれません。
そのような被害に遭われたかたは、ぜひ、少しでも早く弁護士にご相談ください。

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